静かな存在の教えてくれる、広大ないのちの旅『葉っぱのフレディ』

絵本『葉っぱのフレディ』は、レオ・バスカーリアさん作、みらいななさん訳の絵本です。


↑タップで試し読みできます。

値段は1500円でした。

この絵本は、新聞の書籍欄を見て、いいなと思って購入しました。

何才向き、という表示はありませんが、いのちについて、何か知りたいと思っている時、そうした質問を親にした時に、読んであげるといいかも知れません。

あらすじ

主人公は春に大きな木の梢に近い枝に生まれた葉っぱのフレディです。

夏の暑い日に体を寄せて人間のために木かげを作るのも葉っぱの仕事だと、親友のダニエルは教えてくれます。

他に、紅葉した仲間の色がみなちがう色になったことを「月の光 星明かり 一日の気温 なにひとつ同じ経験はないんだ」とダニエルは説明しています。

やがて冬が近付き、みなが木を離れ始めます。

「居心地のよい夢のような場所」だった木を離れることを悲しみ、怖がるフレディにダニエルは「死ぬというのも変わることの一つなのだよ」と説き、満足そうなほほえみを浮かべ、木を離れました。

たったひとり木に残ったフレディは、雪の日に枝を離れ、地面におります。

そして、初めてフレディは木の全体の姿を見るのです。

心に残るフレーズがあります。

作中にあるフレディの「生まれてきてよかったのだろうか」という言葉は、読んでいる人全ての心に投げ掛けられるものだと思いました。

移り変わる季節の中で、すべきことを精一杯するのは、容易なようでいて、難しく、思い返す時々で、満足することも、後悔することもあると思います。

後悔なく過ごしたい、大切な人を想い、それが広がり、全ての人に健やかであってほしいと願う気持ちを、ハッと思い起こさせてくれる絵本です。

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